花粉症の豆知識

花粉症の豆知識

花粉症の代表的な症状といえば、鼻水やくしゃみなどが浮かびます。私の場合、風邪を引いて鼻水が止まらない日は、よく『ティッシュの箱でも背負っていなさい』といわれるのですが、風邪は防げても簡単には防げない花粉症の方ならもっと大変でしょうね。そもそも花粉は何故人間に害を及ぼすのか、そして鼻水や涙が出るのは何故なのでしょう。

花粉症になる原因とそのメカニズム

まず説明の前に、花粉症の原因をお話しすると、かなり内科的になってしまうのですが、にっくき花粉症がどうして自分に発症してしまったのか、気になって仕方ありませんよね。ちょっぴり難しくなってしまうかもしれませんが、順を追って丁寧に解説いたします。

花粉は有害物質?

まずは花粉についてですが、花粉とは人体に影響を及ぼす有害物質なのでしょうか?そうは考えてみるものの、花粉症を発症していない人も中にはいますよね?それだと一概には『有害』と言い切れないようです。では何故発症する人がいるのでしょうか?それには、人体の特別な機能が関係しているようです。

花粉と人体の機能の関係とは

人体は常に特定の細胞が、体内に取り込まれた物質が人体にとって問題のない物質か悪い物質かを分類し、悪いものは体外に排除しようとする仕事を行っています。この場合、例えとして分かりやすいのが、咳をすることや、ホコリを吸ってしまったらくしゃみをして悪い物質を体外に排出する働きです。まず、人体によいか悪いかの判断は『マクロファージ』という細胞がその役割を担っています。このマクロファージがある時、花粉を悪い物質と判断し、悪い物質が体内に入り込んだという情報をT細胞に伝えるのです。

花粉症が発症するまで

情報を受け取ったT細胞は、花粉に対抗するために体内で作られた抗原と結びつくようになります。すると今度は、T細胞が再びB細胞という細胞に先ほど作られた抗原の情報を送ります。するとB細胞は抗原と手を合わせ、花粉を退治しようとする抗体を作り出します。これらの抗原と抗体が手を合わせ、花粉を退治しようとする状態がいわゆるアレルギーで、花粉に対して過敏な状態を引き起こす原因となるのです。

植物の送粉様式

植物は生育環境によって、花粉の運び方を独自に工夫しています。このことを送粉様式といい、3つに分類されます。

動物媒

動物媒動物媒とは、目的の動物や虫に蜜や花粉などの報酬を与える代わりに、花粉を運んでもらう送粉様式を言います。例を挙げますと、蜂に蜜を与える代わりに花粉を身体に付着させ、遠くの花まで花粉を運んでもらいます。

水媒・風媒

水媒・風媒水媒・風媒は、動物を介さずに水や風の動きで花粉を運ぶ送粉様式をいいます。水媒は、水中や水面を花粉が浮遊しながら、目的地まで到達します。風媒は、風に乗って目的地まで到達します。この中でも風媒にあたる植物が、花粉症の原因となっています。

自家受粉

自家受粉自家受粉は、同じ花の中で受粉を済ませてしまう送粉様式をいいます。万が一開花しなくても、受粉を確実に成功させる方法です。代表的な植物は、トマトやナスなどが挙げられます。

花粉症を予防する

一度発症してしまうと治りにくいとまで言われる花粉症にならないためには、予防を怠らないことしか方法はありません。しかしどのように予防すればよいのでしょうか?

自分は花粉症にならないからと安心しない

花粉症は、条件次第で誰しも発症する要因を持っています。花粉症ではないからと安心していると、突然やってくることもあります。まずは発症しないことが一番ですが、これから花粉症にならないよう、日常から気をつける必要があります。『花粉症になりそうな気がしたら本当になってしまった』という実話か迷信か分からない話もたまに耳にしますが、心がけ次第では一生花粉症を発症せずに済むのです。人ごととは思わずに、常に花粉には気を遣いましょう。

症状が軽いうちに完治を目指して治療を始める

現在、根本的に花粉症を治癒する治療法として、『減感作療法(げんかんさりょうほう)』というものがあります。この治療法は、花粉症の原因物質を長い時間をかけ、少しずつ濃度を上げながら投与し、だんだん慣れさせていくという方法です。メリットは、この治療法が成功すれば、これ以降は花粉症の症状に悩まされずに普通の生活を送れることです。しかしデメリットは、治療に年単位の期間を要するということと、100%効果のある治療法ではないということです。人によっては過剰反応を起こすことや、この治療法を行える病院が限られていることも問題として挙げられます。ですが、将来的に花粉症に苦しまなくて済む治療法と考えると、有効な治療法として視野に入れてもよいのではないでしょうか。

徹底的に花粉を除去する

上でお話したとおり、花粉症は誰でも発症する要因を持っています。花粉症にならないために、また既に発症している人の場合は花粉症が発症するのを出来るだけ抑えるために、屋内と屋外の出入りをする際には注意が必要です。例えば、家に入る前に洋服から花粉をはらい落とす、家の中では玄関や窓辺など、花粉の進入経路となる場所をまめに掃除する…など、花粉を寄せつけない工夫をすることが大切です。最近では、各メーカーから花粉除去効果のある布製品用スプレーが発売されています。また、屋外に布団を干す際にも室内に花粉を持ち込まないよう、布団乾燥用のカバーも販売されています。このようなアイテムを上手に使いこなし、快適な生活を送りましょう。

コラム:旅行で花粉症が治まる!?

旅行で花粉症が治まる!?旅行をしたら花粉症が治まったという話を聞いて自分も驚きましたが、それは一体なぜなのでしょうか?実はこの『旅行』の行き先は、スギの人工林が少ない北海道や、南の小笠原諸島や沖縄県なのです。さらに驚くべきことに、『スギ花粉のない環境で過ごそう!』と謳う旅行ツアーまで存在するというのです!驚きですね。しかし北海道にスギ花粉症の人がいないのかといわれればそうでもなく、実はシラカバによる花粉症が年々増えてきているのです。花粉症から解放された!と思って油断は出来ませんが、スギの花粉症に悩む方は一時的に楽になれますから、とっておきのリフレッシュ方法といえるかもしれませんね。