花粉症の原因となるイネ科植物

花粉症の原因となるイネ科植物

イネ科植物は、その道の専門家でも見分けがつきにくく、また近縁種同士での雑種も存在するため、明確に判断するのが難しくなっています。イネ科植物の特徴をよく理解して、上手に共存したいですね。

ススキ

ススキ十五夜の飾りに登場することでもおなじみのススキはとても生命力が強く、土手や道端、野原など多少痩せた土地でもぐんぐん生長します。別名で『オバナ』とも呼ばれます。高さは1メートルを越え、冬の来ない沖縄県ではどんどん生長し、大きいもので3メートル以上のススキを見ることができます。このススキは、立ち枯れしてもなかなか折れにくい頑丈さから、日本家屋の屋根材に利用されていました。このススキの花粉症を発症してしまうと、他のイネ科植物の花粉症を併発してしまうことがあります。

カモガヤ

春から夏にかけて花粉症を引き起こす植物で、住宅地によく見られる植物です。背の高さはおよそ70センチで、先端に枝分かれした丸い穂をたくさんつけます。原産国であるヨーロッパでもひどい花粉症を引き起こし、『干草熱』と呼ばれて遠ざけられてきました。ペットの散歩でむやみに草むらへ入っていかないよう、注意が必要ですね。

スズメノテッポウとオオスズメノテッポウ

スズメノテッポウとオオスズメノテッポウスズメノテッポウとオオスズメノテッポウに、大きさ以外の差異はあまりありません。背の高さは40センチ前後で、セトガヤという植物と酷似しているため、よく混同されがちです。春にはてっぺんに穂を出し、黄褐色のつぶつぶとした細かい花を咲かせます。雑草遊びでこのスズメノテッポウを草笛にして使うことがありますが、遊んでいるうちに花粉症になってしまってはたまりませんね。

ホソムギ

同様の種類であるネズミムギとの区別が大変難しい植物でもあるホソムギは、小麦のような穂をいくつもつける多年草で、道端によく生えています。開花時期になると、毛羽立ったような小さく白い花をつけます。本来は牧草用や緑化用として海外から持ち込まれたようですが、野生化して日本中の広い範囲に分布しています。

ハルガヤ

ハルガヤは生長しても大人の膝丈くらいにしかなりません。またてっぺんにつけた穂から飛び出したような花を咲かせるのが特徴です。もともとは牧草用としてヨーロッパから持ち込まれたのですが、野生化して春の早い時期に草地や道路の隅などに生えています。

ギョウギシバ

穂先が4つから8つ程度に分かれており、各々の方向にまっすぐに伸びているのが特徴の植物です。他のイネ科植物と同様に、穂先に小さく白い花をつけます。海岸のそばにも生育できるほど強く、芝生と共に緑化にも利用されますが、やはり刈り取られてしまうことも多いようです。

セイバンモロコシ

『モロコシ』の名がつくとおり、葉の形がトウモロコシにそっくりな植物です。穂先は木の枝のように何十にも分かれ、大きくなると穂が赤く色づき次第に放射状に広がります。刈り取られても生長が早く、あっという間に元通りになってしまうほどです。

ナガハグサ

ナガハグサは牧草として海外からやってきました。大人の膝丈くらいの高さまで育つ植物です。他のイネ科植物と同様に、穂先がいくつにも分かれており、茎を中心に放射状に広がります。開けた土地から荒地までどこでも生育でき、現在は野生化して北海道から本州にかけて分布しています。

アシ(葦)またはヨシ

アシはことわざや詩歌にも登場するほど名の知れたイネ科植物です。似たものに『ヨシ』がありますが、アシが『悪し』に通じることを嫌い、『良し』の意味の『ヨシ』に名前を変えたのがもとと言われています。ちなみに、呼び名は東日本ではアシ、西日本ではヨシと呼ばれるのが一般的です。このアシは暖かい地域に分布し、大きいもので5メートルの高さまで生長します。ススキのように細長く、大変質のよい屋根材として、『茅葺屋根(かやぶきやね)』に利用されているほどです。水辺によく生えているのも特徴です。

牧草類

牧草に利用される代表的な植物といえば、チモシー(オオアワガエリ)が挙げられます。『チモシー』という名前は、小動物のペットを飼っている方なら1度は聞いたことがあるのではないでしょうか?チモシーの背の高さはおよそ1メートル前後で、空き地などにも生えています。乳牛用の牛や、競走馬などを飼う畜産農家であれば毎日扱う牧草ですが、この牧草による花粉症も実は発生しているのです。ウサギやモルモットを飼っているお宅では出番の大変多い牧草ですが、鼻がかゆくなったりくしゃみが出たりすることはないでしょうか?実はペットアレルギーではなくて牧草アレルギーなのかもしれませんよ?

イネ科植物に共通する注意事項

イネ科植物はどの種類も共通して、刈り取った後にもアレルギー症状を起こすものが多くあります。雑草を駆除したからと一安心はせずに、刈り取り後の粉塵にも注意が必要です。一番の予防法として、雑草が生長しきってしまう前に、まめに刈り取っておきましょう。また、草刈が行われた直後の公園や土手なども気をつけましょう。